尻尾のできもののお話です。
尻尾にできものができると、できるだけ手術はしたくないもの。
なぜかというと、手術で取った後、縫うのが難しいからです。
今回は、尻尾に3×1cmの楕円形のできものがあったワンちゃんです。
このできものは以前、1cm以下の大きさで、細胞診からケラチンを含んだ腫瘤ということがわかっていました。悪いものではないとわかっていたので経過観察としていました。だんだんと大きくなり、これ以上大きくなると、できものから膿が出ることがあるので、もう取らないといけないサイズです。
でも、尻尾はできものをとった後が大変で、できものが大きいときはそのままでは縫い合わせることができません。
とった後、他の部分の皮膚を切開して傷を覆う皮弁法(前進皮弁)で治療しましたが、今回は血行がよくなく大半の皮弁がうまくいきませんでした。そうなると、ドレッシング剤を使った治療が必要。ドレッシング剤というのは傷を保護したり、早く治すための貼付剤で、身近なところではサビオもドレッシング剤の1つです。
でも、尻尾のドレッシング剤には工夫が必要です。
尻尾を振ると、ドレッシング剤と包帯がズレたり、傷の治りが遅くなります。こんなときは、こんなふうに尾を止めておくとうまくいきます。今のところ順調に回復しています。