朝方に黄色の液を吐く
このような症状はよく見かけますが、みなさんのところではいかがでしょうか?この状態を胆汁嘔吐症候群とも言います。この黄色の液体、胃液ではなく、実は胆汁液です。
では、一体どうして朝方に吐くのでしょう?
朝方というのは空腹になりやすく、特に夕方早くに食事をとると夜中の空腹時間が長くなります。そんな状況で胃の運動が低下してしまうと、本来腸へ流れるはずの胆汁液が胃へ逆流してしまうのです。胆汁液は消化酵素ですので、空腹時に胃に入ると刺激も強く嘔吐してしまうと思われます。
そういう理由がわかると、対策も決まってきますね。
空腹時間を短くし、胃の運動を正常化するというのが、嘔吐を防止するのに有効です。一般的に、食事回数を3-4回と増やし、1日の最後の食事は就寝前にして夜中の空腹時間を短くしてあげるとよいでしょう。もし、それだけでは治らないというときは、就寝前に胃運動を活発にするお薬を少量飲むと効果的なこともあります。
そこに加えて、知っておくと何かのときに役立つと思われる情報を1つ。
胆汁嘔吐症候群と診断されたワンちゃんの中には高脂血症、胆泥症、脂肪肝、膵炎、十二指腸炎といった病気を併発していることがあります。特に高齢になると注意して下さい。「黄色の液はいつものことだから」 と様子を見るのも間違いではないかもしれませんが、嘔吐の頻度が多くなってきたときはこの併発症のことを思い出して下さいね。